2011年9月3日土曜日

tremor (振戦)

振戦(tremor)とは、相反神経支配されている筋肉群(主動筋と拮抗筋)が交互または不規則に収縮することにより引き起こされる不随意でリズミックな運動である。運動がリズミックであることにより他の不随意運動と区別され、主動筋と拮抗筋が関与することによりクローヌス(clonus)と区別される。

異常な病理的な振戦は、臨床上四肢の遠位筋でよく見られ、頭部、舌、顎、体幹筋といった近位部の筋は非常に稀である。また振戦は、覚醒下においてのみ見られ、殆どの場合、4から7Hzという生理的振戦の約半分ほどの周期である。

臨床の解析では、振戦の1)リズム性、2)周波数、3)運動や姿勢との関係、4)拮抗筋の活動パターン(交互または不規則)により分類される。

Adams and Victor's Principles of Neurology 9th Editionより

2011年9月2日金曜日

痛みと身体図式

痛みと身体図式、この2つの関係は幻肢痛へのミラーセラピーの効果を考えると結びつくものだけど、具体的にどのように結びついているかはわからない。

幻肢痛では、ない四肢があると感じるという幻肢という状態が身体図式の異常であることはまちがいない。また、ミラーセラピーでは、幻肢の運動意図と視覚フィードバックを一致させることにより、身体図式の修正、または再構築が行われている可能性が高い。

だけど、なぜ身体図式の異常が痛みにつながるかはわからない。幾つか仮説はたつけど、なかなか検証する方法が難しい。

ちなみに週1で、幻肢痛ではないがCRPSのtypeI疑いの患者さんへのミラーセラピーの介入を行っている。正直、効果は微妙であるが、長期的(半年くらい)にみると痛みは減少している。ただ、週一の介入で半年も続けてると、一体何が効いているかを知るのは困難だけど。

まあ、研究的介入であるのでじっくりと時間をかけて患者さんをみて、なにかヒントを得られればとのんびり構えています(^^


研究キーワード

研究の興味は、
「身体図式とは一体何なのか?それはどのように構築、再構築できるのか?」

現在の研究プロジェクトは、
1,慢性期脳卒中片麻痺患者への経頭蓋磁気刺激と模倣運動学習
2,幻肢痛に対する身体図式の再構築
3,小児に対する経頭蓋電気刺激(tDCS)を用いたリハビリテーション法の開発
でやってます。

研究のスタイルとしては、大規模研究ではなく、協力していただいている患者さんをできる限り長期にわたり細かくしっかりと見ていく狭く深くのスタンスです。
なもので、症例数は遅々として増えません(^^;
それで、今流行のRCTなんぞ先の先の話です。
このようなスタンスをとっている理由は、学術的なものではなく私の性格に起因しているような。。。

3の小児の研究は、生まれながらにして持っている模倣運動を利用した模倣運動学習の研究をしているので、子供のリハになんとか応用できないかというのがきっかけです。まだ始まったばっかりで現在6歳の子を週二回、半年にわたり見て、上肢の不随意運動の抑制を目指して、ほそぼそとやっています。

ちなみに研究プロジェクトに興味がある人は、書き込み、メール大歓迎です。



2011年9月1日木曜日

とりあえず

ブログが完成。
どのようなブログにしていくかは、まだ不明。
たぶん、リハビリテーションのための脳研究についてちょこちょこと書いていく予定。